住宅業界に危機感が走ってる「ウッドショック」
つまり、「木材の供給不足」と「木材価格の高騰」が起きているってこと。
知っていましたか?
「なんで日本で?」
と思いますよね?島国の日本でこんだけ森林があるのに木材が不足してるなんて思いもしないはずです。日本って食料もそうだけど、木材の自給率もすごく低いんですよ。
その自給率は、確か今は約50%くらい。2020年の木造住宅着工数は約48万戸ですから、おおざっぱに言っておよそ24万戸分が輸入材でつくられてるってことです。
とにかく、日本はこれまで安い輸入材に頼りすぎていたんですね。
で、その輸入材が不足してきたから、国産木材を使おうとしてるけど「国産木材」の供給量は限られているので、奪い合うことに。要は、需要>供給という状態に。
つまり、輸入材が不足→国産材を代用→国産材も不足という流れでウッドショックが起きたわけです。
そもそも、なんで輸入材が入ってこなくなったのか?
その多くはアメリカからの輸入だったんけど、そのアメリカで木材需要が急激に増加したんです。そう、今アメリカは住宅バブルなんです。
アメリカの中央銀行、FRBが金融政策としてゼロ金利政策を行いました。その影響でアメリカにおける住宅ローンの金利がこれまでにないほどの低金利になり、新型コロナでの在宅ニーズが合い重なって、バンバン家が建ってるんです。
そりゃ、まず自国での消費が優先されるでしょうから、輸出する木材の数はこれまでより減ります。そして、そこに中国の登場。
コロナを乗り越えた状況にある中国国内での住宅市場も高まっていて、大きなマーケットを背景にしてガンガン、アメリカやカナダの木材を高値で買い集めています。
それによる木材市場相場の変動に、日本は買い負けてしまい木材が調達できない、若しくは高値で買うしかない状況にある、ということです。
そして、さらに追い打ちをかけるのが輸送手段の減少。
コロナの影響でのロックダウン等の措置が原因で、運輸業の動きが停滞し、世界中の港にコンテナが滞留して往来が激減したうえに、アメリカと中国によるコンテナ確保がおき、他に回ってこない状況となっていることが、輸入木材の調達が難しく、調達できても輸送できないという状況になり、木材不足がおきているんですね。
家づくりへの影響は?
まず、すでに住宅価格が10%~20%ほど値上がりしているところも出てきています。また、木材の調達の遅れによる工期の遅れも生じてきていると聞いてます。これから、家づくりを検討している人たちにとって影響はないとは言えない状況です。
もし、すでに商談が進んでいて契約までしているのであれば、建築会社に値段や構造の変化はないのか納期はどうなのかを、きちんと確認してください。材料が入ってこない状況なので、完成引き渡しの時期は遅れるものと思います。
そうなると、心配になってくるのが住宅ローン。すでに契約を済ませ着工している人の多くは、つなぎ融資を受け、土地の購入や着工金などの支払いをしていると思います。つなぎ融資は、住宅ローンの本融資がされるまでに発生する費用の支払いをするための一時的な融資で、住宅ローンの本融資で返済をします。この本融資は、完成引き渡しと同時あるいは、それ以降に実行されます。
このつなぎ融資をしている期間もつなぎ融資に対して利息は発生します。つまり、つなぎ融資をした時から完成引き渡しまでの期間が延びると、それだけ利息も増えることになるということになります。場合によっては、そのせいで資金が足りない!って可能性もでてきますので、注意が必要です。
いずれにしても、ライフプランニングと資金計画に影響を及ぼす状況であるという事は認識しましょう。
じゃあ、家づくりを検討してる人はどうしたら?
家づくりのタイミングは、何よりも金利です。しかし、ウッドショックの影響で住宅価格が上がっている今の状況では、より慎重な判断が求められます。
コロナをきっかけにこれまでの常識や価値観が通用しない世の中になってきましたので、今は立ち止まり将来のことをしっかりと考えてみるのもいいかもしれません。
とりあえず、どうすればいいのか判断の参考にしたい、という方は一度ご相談を。
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